障害者のモノづくりにおける目的とは?障害者福祉への取り組みと販売ショップの一例

障害者のモノづくりにおける目的とは?障害者福祉への取り組みと販売ショップ

私たちが日常で買い物をする時、各ブランドの実店舗が並ぶショッピングモールやインターネット上の通販サイトで商品を購入します。

主にAmazonや楽天市場などのECサイト(ネットショップ)では、商品カテゴリが豊富で商品数も多いため手軽に利用しやすいです。

しかしトレンドを意識した商品が出回る中で有名アーティストや職人の手による一点もののセレクトショップ、主婦や障害者によるハンドメイド製品を販売するショップなど滅多に出会えないアイテムが揃うオンラインショップがあるのをご存知でしょうか。

とくに障害やハンディキャップのある人たちが製作した商品には、生活用品やインテリア雑貨から装飾小物、アクセサリーまで心のこもったオリジナル商品が並びます。

この記事では、障害者が手がける商品を販売する目的や障害者福祉への取り組みについて解説します。

障害をもつ人たちが携わる商品に特化したECサイトやオンラインショップも紹介しますので、障害者福祉を身近に感じられるきっかけになれば幸いです。

目次

モノづくりにおける障害者福祉への取り組み

障害者福祉に取り組む事業の1つとして、障害者が手がけた商品の販売がありますがどんな目的があるのでしょうか。

障害者が作る商品の販売目的

障害者福祉施設・事業所に通う人や一般企業で働くことが難しい人、ハンディキャップのある人はモノづくりに携わっています。

そんな障害者が手作りで品物を製作・販売する活動は、NPO法人や福祉作業所などにおいてあらゆる目的をもって実施されています。

その主な目的は、以下の通りです。

経済的な自立支援

雑貨や陶器、食品など手作り品を販売し、その収益を障害者の工賃(給与)として還元することで経済的な自立を支えます。

作業訓練を通じて働く力が向上し、就労に必要なスキルや集中力、責任感、時間管理能力を身につけます。

そして経済的に自立できるだけの収入を得るための訓練、安定した仕事の機会を提供します。

社会参加の創出・促進

手作り品の販売が地域をつなぐツールとなり、販売会やイベントを通じて地域社会や一般消費者との接点・交流を増やします。

製品を通じて「障害」を知ってもらう機会となり、障害者の特性や能力を地域に理解してもらう啓発活動につなげます。

役割をもつことで社会的な孤立を防ぎ、居場所を感じられるようにします。

生きがいと自己表現

障害者自身が自分の作った品物が認められ買ってもらえると誰かの役に立っているという経験が自己肯定感・達成感を高め、自信や存在価値につながります。

アートワークショップなどを通じて言葉で表現することが難しい思いを作品に投影でき、個性を発揮する場を提供します。

仕事という具体的な役割をもつことで日々の生活にメリハリをもたせ、生きがいを感じながら充実に過ごせるようにします。

障害者が作った商品を販売することで、単なる売上げの確保にとどまらず障害のある人の自立支援や社会参加、社会的な偏見の解消など多岐にわたる重要な意義があるのです。

障害者が作った商品の購入メリット

福祉施設の製品や自主製品など障害者が心を込めて手作りした商品を購入することで、消費者と作り手である障害者自身、社会の環境にとって多くのメリットがあります。

購入者(消費者)のメリット

ユニークな商品や一点物との出会い

障害者が時間をかけて1つひとつ手作業で作られているため、温かみやクオリティが高いものが多いです。

大量生産にはない作家性のあるデザインや、オリジナリティの高い一点物の個性的な商品に出会えます。

エシカルな消費と社会貢献

エシカルな消費として、商品の購入が障害者の工賃アップや自立支援に直接つながります。

商品購入を通じて無理なく手軽にSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献できます。

SDGsについては、別記事で紹介します。

障害者(作り手)のメリット

工賃の向上

商品が売れることで、作り手である障害のある人たちの工賃(給料)アップにつながります。

やりがいと自己肯定感の向上

自分の作った品物が評価され売れることで、役に立てているという達成感とともに働く意欲や自信が生まれます。

社会や環境的なメリット

障害者の自立と社会参加への促進

商品の販売によって障害者が収入を得ることで、社会とのつながりをもつチャンスが広がります。

障害者への理解促進と偏見の解消

商品を手にとって理解を深めることで障害に対する意識が変わり、共生社会の実現を後押しします。

障害者が携わる商品特徴と販売ショップ

障害のある人が手がける商品にはどんなものがあるのか、どういった場所で販売されているのでしょうか。

障害者が手がける商品の特徴

障害のある人が心を込めて作る商品には、生活用品やインテリア雑貨から装飾小物、アクセサリー、食品までさまざまです。

ジャンル製品の特徴主な商品例
ハンドメイド心がこもった手作り雑貨ぬいぐるみ、アクセサリー、革製品、木工品、陶器など
アート・デザイン独自の世界観をもつ個性的な芸術品ポストカード、フォトフレーム、壁掛けなど
食品地域の食材を使った地元で愛される味クッキー、パン、スイーツ、ドリンクなど

上記はあくまで基本的な実例であり、他にも野菜やコーヒー豆など時間をかけて作るものやプレゼントとして贈れるものまで豊富に展開しています。

障害者が携わる商品に特化したショップ(一例)

障害者が携わる商品に特化したショップは、主に以下の通りです。

ショップ名拠点実店舗ネットショップ
KURUMIRU(くるみる)東京都
PIPPO(ピッポ)東京・葛飾×
SOU(ソウ)東京・国立
ヘラルボニー(HERALBONY)岩手
トゥギャザーオンラインショップ大阪

上記以外にも多くの企業・団体がありますが、とくに規模の大きい事業者やショップに絞っていますので参考にしてください。

このように障害のある人による手作り活動は役割をもって社会とつながり、自信を育む重要な手段となっているのです。

次項からは、上記で紹介したショップそれぞれの基本概要や特徴を紹介していきます。

KURUMIRU(くるみる)

KURUMIRU(くるみる)は、障害福祉施設の中でもとくに就労継続支援B型事業所で作られた個性豊かな雑貨・製品を販売するセレクトショップです。

東京都が運営しており、障害のある人たちが手作りした高品質な製品を販売することで工賃アップと社会参加の促進を目指しています。

KURUMIRUを設立した経緯・概要

障害者が手がけた商品を展開する事業は、東京都の「自主製品魅力発信プロジェクト」の一環として2016年9月に都庁店がオープンしました。

障害のある人たちが作った商品を通して、社会とのつながりや生きがいをもつことをサポートしています。

障害者の就労支援の一環として自主製品の魅力を広く発信し、低い水準にある工賃の向上を目的としています。

KURUMIRUという名称の由来は、商品に触れて(くる)・こだわりを感じる(みる)を組み合わせた造語です。

ロゴの色は、イチョウの芽をイメージした柔らかい翡翠色をベースにしています。

KURUMIRUの主な特徴

KURUMIRUは、作り手が手間をかけて作った個性的な手づくり雑貨たちが揃うバラエティショップです。

高品質な手作り商品

障害のある人たちが丁寧かつ手間をかけて作ったアクセサリーやバッグ、革小物、日用雑貨など個性的な製品が揃っています。

くる・みるという体験

実店舗やオンラインショップに「くる」ことで商品に触れ、「みる」ことで作り手のこだわりを感じてほしいという想いが込められています。

実店舗とオンライン展開

KURUMIRUは都庁や錦糸町マルイ、伊勢丹立川の都内3店舗に加えてオンラインショップでも商品購入が可能です。

KURUMIRUの店舗情報

KURUMIRUの店舗は都内に3店舗とオンラインショップがあり、以下の通りです。

KURUMIRU 都庁店

営業時間10:30~19:30
休業日土日祝日、年末年始
所在地東京都新宿区西新宿2-8-1 都庁都民広場地下1階
アクセスJR「新宿」駅西口より徒歩10分
都営大江戸線「都庁前」駅A3出口より徒歩1分
(都庁前駅A3出口から都庁都民広場地下1階入口を入って1つ目の角をレストラン街方面に左折し1つ目の角を右折)

KURUMIRU 錦糸町マルイ店

営業時間錦糸町マルイに準ずる
休業日錦糸町マルイに準ずる
所在地東京都墨田区江東橋3-9-10 錦糸町マルイ2階
アクセスJR「錦糸町」駅南口より徒歩2分
(錦糸町マルイの2階までエスカレーターを上って右)

KURUMIRU 伊勢丹立川店

営業時間伊勢丹立川店に準ずる
休業日伊勢丹立川店に準ずる
所在地東京都立川市曙町2-5-1 伊勢丹立川店4階
アクセスJR「立川」駅北口より徒歩2分
(伊勢丹立川店4階のフォーマルウェアコーナー隣り)

KURUMIRU オンラインショップ

ショップURLKURUMIRU オンラインショップ
支払い方法クレジットカード決済・商品代引き・銀行振込など
支払い期限注文後7日以内
配送会社ヤマト運輸(国内発送のみ)
送料全国一律700円(ネコポス配送は全国一律340円)
返品商品到着後7日以内に事前連絡

オンラインショップの利用には留意事項がありますので、詳細については下記リンクより確認してください。

参考:特定商取引法に基づく表記(KURUMIRU)

実店舗もオンラインショップも、ファッション雑貨から生活用品までバラエティ豊かな品物が並びます。

季節のフェアを月替わりで開催しており、店舗限定品もあるため要チェックです。

PIPPO(ピッポ)

特定非営利活動法人PIPPOは、ハンディキャップのある人たちが製作する商品に特化したショッピングモールを運営しています。

PIPPOの特徴・取り組み

PIPPOは、障害をもつ人たちが製作した雑貨や食品、衣類などを専門に扱うECサイトです。

障害者福祉施設に通う人や一般企業で働くことが難しい障害者、ハンディキャップのあるクリエイターたちがアクセサリーや革製品、布製品、食品などを手がけた個性的な商品が揃っています。

ECサイトの商品を購入することで、ハンディキャップのある作り手の賃金アップに貢献できるのがPIPPOの強みです。

PIPPOでは「福祉を身近に、日常に」というビジョンのもとでショッピングモールの運営事業以外にも、研修・講演会やコンサルタント事業、イベント代行・出店代行事業を手がけています。

買い物が障害者への応援に

PIPPOでの買い物は、障害者福祉の応援につながります。

PIPPOで商品を購入すると作り手の賃金アップにつながるほか、商品を通して今まで知らなかった障害者福祉の世界を知ることもできるでしょう。

PIPPOのオンラインショップ

PIPPOの基本情報をはじめ障害者福祉への具体的な取り組みについては、別記事で紹介します。

SOU(ソウ)

SOU(ソウ)は、就労継続支援B型事業所のソウファクトリーと障害のある人が手作りする商品を販売するSOU shopを運営する特定非営利活動法人です。

ソウファクトリーについて

ソウファクトリーは、東京・国立にある就労継続支援B型事業所です。

障害者の自立と社会経済活動への参加促進のための支援、地域の中で安心して心豊かに生活していくための支援を目的として特定非営利活動法人SOUが運営しています。

障害のある人たちが日常の中で創り出すそのままを生かす、そんなモノづくりを中心に得意なことや好きなことで活躍できる職場を目指しています。

ソウファクトリー

SOU shopについて

SOU shopは2016年、前向きに活動する障害者を応援するためにオープンしました。

温もりを感じ愛着をもって使えるもの、自分らしさを表現できるものとして障害のあるクリエイターが作った1点もののハンドメイド製品を扱うセレクトショップです。

柔らかい雰囲気で個性的なデザインの商品を多く取り揃えています。

JR中央線コミュニティデザインと共同開催する「ものづくりのわ」への出店も行っています。

1人でも多くの人に彼らの活動を知り関心をもっていただくことで、自立支援をサポートしていく活動を目指しています。

SOU shop

ヘラルボニー(HERALBONY)

ヘラルボニー(HERALBONY)は、国内外の異彩を放つ作家(障害のある作家)と共に新たな文化の創造を目指す岩手県発のアートライフスタイルブランドです。

株式会社として主に知的障害のあるアーティストの作品を「異彩」としてブランド化し、ライセンス事業や高級雑貨販売を展開しています。

ヘラルボニーの事業特徴

ヘラルボニーは、「障害」をイコール「欠落」ではなく「個性」と捉えています。

アートを通じて正当な経済価値(ライセンス料)を生み出し、福祉のイメージを根底から変える高付加価値ビジネスが特徴です。

「異彩を、放て。」のミッション

「異彩を、放て。」をミッションに掲げ、障害を支援が必要な欠落ではなく唯一無二の才能や個性として捉えています。

知的障害のある兄が遺した「ヘラルボニー」という言葉に由来し、作家の人生や作品のストーリーをブランドの核にしています。

ハイブランドなプロダクト展開

低価格になりがちな障害者のアートをシャツやネクタイ、バッグ、インテリアなど高品質でデザイン性の高い商品へ昇華します。

国内外の250人以上いるアーティストとライセンス契約を結び、2000点以上の作品データを活用しています。

正当な対価と経済的自立の促進

作品のライセンス利用や商品化により、売上げの一部がアーティストへ正当な報酬(ロイヤリティ)として継続的に還元される仕組みです。

2021年から2024年にかけてアーティストへの報酬総額が15.6倍になるなど、経済的自立を支援しています。

大手企業とのコラボレーション

JALやニコン、建築物など多様なビジネスパートナーとコラボし、アートが日常的に触れられる機会を創出しています。

福祉のスペシャリストではない視点

ヘラルボニーの創業者は福祉の専門家ではなく、純粋にアートの魅力と作家の独自性(こだわりや集中力)を評価しています。

福祉はイコール「ボランティア」ではなく「ビジネス」として自立したモデルを追求しているのです。

ヘラルボニーの店舗情報

ヘラルボニーは、岩手県を拠点とし東京・銀座に常設店がありオンラインショップも展開しています。

ISAI PARK(岩手・盛岡 旗艦店)

営業時間カフェ:10:00~19:00
ストア・ギャラリー:10:00~19:00
休業日パルクアベニュー・カワトクに準ずる
所在地岩手県盛岡市菜園1-10-1 パルクアベニュー・カワトク1階
店舗サイトISAI PARK

HERALBONY LABORATORY GINZA(東京・銀座 常設店)

営業時間11:00~19:00
休業日ストア:無休
ギャラリー:火曜日(祝日の場合は翌日)
所在地東京都中央区銀座2-5-16 銀冨ビル1階
店舗サイトHERALBONY LABORATORY GINZA

オンラインストア

ショップURLヘラルボニー
支払い方法クレジットカード決済・キャリア決済・コンビニ決済など
支払い期限コンビニ決済は注文後3日以内
送料全国一律700円(一部商品は385円)
15,000円(税込)以上の注文は送料無料
返品商品到着後7日以内にメールにて事前連絡

オンラインストアの利用には留意事項がありますので、詳細については下記リンクより確認してください。

参考:特定商取引法に基づく表記(ヘラルボニー)

ヘラルボニーは、障害のある人々と社会を「異彩」という新しい文化でつなぎ、誰もが認め合える社会の実現を目指しています。

福祉施設で作られたもの・支援のために買うものという固定観念を覆し、障害者のアートを知的財産に変えて市場価値を生む仕組みです。

トゥギャザー

トゥギャザーは、モノづくりや販売を通じて障害をもつ人の自立や就労への支援を促進する団体です。

トゥギャザーの特徴・取り組み

トゥギャザーは、主に障害者福祉事業所で作られた商品を取り扱う特定非営利活動法人です。

都道府県・市町村単位ではなく、全国の障害者福祉事業所で作られた雑貨や食品などを一斉に販売しています。

またグループホームの建設サポートを通じて社会参加を促進しており、障害者の自立と社会参加の促進、共生社会の実現を目的としています。

もともとは大阪・梅田のスカイビル内と兵庫・淡路島の2拠点で実店舗を構えて常時販売していましたが、店舗に直接いくのが困難な人たちからの要望によりトゥギャザーオンラインショップを開設しました。

トゥギャザーオンラインショップ

トゥギャザーの店舗情報

トゥギャザーは大阪・梅田と兵庫・淡路島でアンテナショップを展開しており、2024年にトゥギャザーオンラインショップをオープンしています。

パティスリーとっと

営業時間11:00~17:00
休業日土曜日・日曜日・祝日
所在地大阪府大阪市北区大淀中1−1−90 梅田スカイビル地下1階・滝見小路
店舗サイトパティスリーとっと

Support Square ともす

営業時間11:00~18:30
休業日木曜日・不定休
所在地兵庫県洲本市本町6-2-28 コモード56内
店舗サイトSupport Square ともす

トゥギャザーオンラインショップ

ショップURLトゥギャザーオンラインショップ
支払い方法クレジットカード決済・銀行振込など
支払い期限銀行振込は請求後5営業日以内
送料商品によって異なるため該当商品ページで確認
返品欠陥・不良がある場合を除き不可

オンラインストアの利用には留意事項がありますので、詳細については下記リンクより確認してください。

参考:特定商取引法に基づく表記(トゥギャザー)

トゥギャザーオンラインショップ

トゥギャザーの具体的な取り組みについては、別記事で紹介します。

買い物で障害者福祉を応援まとめ

障害のある人たちが時間をかけて製作した手作り品には、生活雑貨からアクセサリー、食品まで心のこもったオリジナリティあふれる商品が揃います。

それぞれの障害特性に応じてできること・できないことが当然ありますが、障害のある人には基本的に邪の心がありません。

手にとる人のことを思いながら、純粋にモノづくりを楽しんでいるのです。

そして障害者が作った製品を購入されると、作り手の工費アップにつながり自立への自信につながります。

少しでも障害者福祉に協力したい人や独自性のある手作り品に触れたい人は、上記で紹介したショップを一度のぞいてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

つむぎのアバター つむぎ クリエイター

重度難聴で耳あな型補聴器を装用
聴覚障害者として身体障害者手帳3級を所有
本業・副業ともにWebを中心としたデザイン制作

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