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障害者の記念日・啓発日は?障害の有無にかかわらず共生社会の実現に向けた大切な日

障害者に関する記念日・啓発日は?障害の有無にかかわらず共生社会の実現に向けた大切な日

国際障害者デーや障害者週間、ほじょ犬の日。

日本をはじめ世界には、障害者に関する記念日・啓発日が数多くあるのをご存知でしょうか。

障害者の日や障害者週間は毎年12月で、全ての障害者に共通する記念日です。

また難聴・聴覚障害に関する日として、毎年3月3日は耳の日や世界聴覚の日になっています。

この記事では全ての障害者に共通する日をはじめ難聴・聴覚障害に関する記念日・啓発日を説明します。

難聴・聴覚障害以外の障害に関する日も紹介しますので、障害者の権利や福祉について考えるきっかけになれば幸いです。

目次

障害者に関する記念日・啓発日一覧

障害者に関する記念日・啓発日を種類別に一覧で紹介します。

全ての障害者に共通する記念日・啓発日

難聴・聴覚障害に関する記念日・啓発日

聴覚障害以外の障害に関する記念日・啓発日

障害者の日(12月9日)

12月9日は「障害者の日」です。

1975年(昭和50年)12月9日の国際連合総会(以下、国連総会)で、「障害者はその障害の原因、特質及び程度にかかわらず市民と同等の基本的権利を有する」という「障害者の権利宣言」が採択された日でもあります。

この国際連合が指定する国際障害者年を記念して1981年(昭和56年)11月28日に、国際障害者年推進本部が12月9日を「障害者の日」とすることに決定したのが由来です。

また2003年(平成15年)12月3日に公布された障害者基本法においても、12月9日を「障害者の日」とすることが法律上定められました。

しかしその後、後述する障害者週間を規定したことにより、現行の障害者基本法には「障害者の日」の名称は残されていません。

障害者の日は、障害の有無にかかわらず全ての人が共生できる社会の実現に向けた意識を高めるための日として位置づけられています。

障害者週間(12月3日~9日)

12月3日~9日は「障害者週間」となっています。

障害者週間が設定された経緯・由来

12月9日は前述の通り「障害者の日」ですが、12月3日は1982年(昭和57年)に「障害者に関する世界行動計画」が国連総会で採択された日です。

これにより1995年(平成7年)に、内閣府の障害者施策推進本部が「国際障害者デー」である12月3日から日本の「障害者の日」である12月9日までの1週間を「障害者週間」とすることを決定しました。

その後、2004年(平成16年)に障害者基本法が改正されたことに伴い、もともと12月9日を「障害者の日」と定めていた規定から、12月3日から12月9日までを「障害者週間」へと改められたのです。

障害者基本法・第9条

現行の障害者基本法(第9条)には「障害者の日」の名称は残されていなく、「障害者週間」として実施されています。

国民の間に広く基本原則に関する関心と理解を深めるとともに、障害者が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加することを促進するため、障害者週間を設ける。

障害者週間は、12月3日から12月9日までの1週間とする。

国及び地方公共団体は、障害者の自立及び社会参加の支援等に関する活動を行う民間の団体等と相互に緊密な連携協力を図りながら、障害者週間の趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めなければならない。

参考:障害者週間とは(内閣府)

障害者基本法については、別記事で紹介します。

障害者週間の目的

障害者週間は、国民の間に広く障害者の福祉についての関心と理解を深めるとともに障害者が社会・経済・文化・その他あらゆる分野への活動参加を促進することを目的とした週間です。

毎年12月3日から9日までの期間中は、全国各地でさまざまな関連行事やイベントが開催されます。

内閣府のサイトで全国の自治体で催される障害者週間の行事について紹介されていますので、チェックしてみてください。

参考:障害者週間の行事について(内閣府)

国際障害者デー(12月3日)

12月3日は「国際障害者デー」です。

1982年(昭和57年)12月3日の国連総会において「障害者に関する世界行動計画」が採択されたことを記念し、1992年(平成4年)の国連総会で12月3日を「国際障害者デー」とすることが宣言されました。

国際障害者デーは、障害者問題への理解促進、障害者が人間らしい生活を送る権利とその補助の確保を目的とした国際デー(国際記念日)です。

障害のある人もない人も共に暮らし全ての人が参加できる社会を目指す活動のシンボルとしてイエローリボンを身につけることでメッセージを表すことができます。

ほじょ犬の日(5月22日)

5月22日は「ほじょ犬の日」です。

身体障害者の自立と社会参加を促すことを目的として、2002年5月22日に身体障害者補助犬法が成立したことを記念して制定されました。

身体障害者補助犬法とは、公共施設や交通機関などあらゆる場所で補助犬を同伴した身体障害者を受け入れる義務を定めている法律です。

補助犬とは盲導犬・聴導犬・介助犬を総称した犬で、身体障害のある人が日常生活を円滑に行えるように訓練されています。

身体障害者補助犬法や補助犬については、別記事で紹介します。

難聴・聴覚障害に関する日

耳の不自由な人に配慮した難聴や聴覚障害に関する主な記念日・啓発日は、以下の通りです。

耳の日(3月3日)

3月3日は「耳の日」です。

耳や聴力に対する関心を高め、難聴や言語障害をもつ人へ支援することを目的として、1956年(昭和31年)に一般社団法人日本耳鼻咽喉科学会の提案により制定されました。

耳を表す「みみ」という語呂合わせや数字の「3」が耳の形に似ていることにちなんで、3月3日が選ばれた理由とされています。

もう1つの理由として、電話を発明したグラハム・ベルの誕生日であることも知られています。

ベルはろう教育者としても功績を残しており、ヘレン・ケラーとアニー・サリバンを引き合わせた人物でもあるのです。

ヘレン・ケラーについては、別記事で紹介します。

世界聴覚の日(3月3日)

3月3日は耳の日というだけでなく「世界聴覚の日」でもあります。

耳や聴覚の健康に関する啓発活動を行うことを目的に、世界保健機関(WHO)が設定した日です。

また「国際耳の日」を意味する「World Hearing Day(ワールド・ヒアリング・デー)」としても認知されており、世界保健機関では毎年異なるテーマで聴覚保護の重要性を訴えるほか世界各地で啓蒙のためのさまざまなイベントや取り組みが行われています。

手話記念日(5月5日)

5月5日は「手話記念日」です。

日付は手話が左右の5本指を使うことから由来し、2003年(平成15年)に日本デフ協会が写真家の後藤田三朗氏の提唱で制定されました

手話は手や指、腕を使うだけでなく、顔の部位(視線、眉、頬、口、舌、首、顎の動き)を使って表現する視覚言語です。

補聴器の日(6月6日)

6月6日は「補聴器の日」です。

補聴器が人々の生活に身近なものとなるよう補聴器への理解と使用を促すことを目的に、日本補聴器販売店協会と日本補聴器工業会が制定しました。

6月6日という日付は、数字の「6」を2つ向かい合わせに並べると耳の形に見えること、補聴器の大敵である高温多湿な季節が始まる6月に補聴器のメンテナンスを促すためにゾロ目で覚えやすいことにちなんでいます。

補聴器の種類やそれぞれの特徴については、別記事で紹介します。

手話言語の国際デー(9月23日)

9月23日は「手話言語の国際デー」で、日付は世界ろう連盟(WFD)が1951年に設立された日です。

手話言語が音声言語と対等であることを明確にするためろう者の人権が保障されることを目的として、2017年12月19日に国連総会で採択されました。

国際社会において手話言語の理解を深めてもらおうと、日本を含め世界各地でこの日を記念した講演会などのイベントが開催されています。

国際聴覚障害者の日(9月26日)

9月26日は「国際聴覚障害者の日」です。

聴覚障害をもつ人の権利を擁護し社会参加を促進する日として、2019年に国際聴覚障害者協会(WFD)によって制定されました。

この日は、世界各地でさまざまなイベントが開催されます。

難聴ケアの日(11月3日)

11月3日は「難聴ケアの日」です。

あまり知らないという人も多いですが、「いい(11)みみ(3)」(いい耳)の語呂合わせと難聴ケアを文化にしたいという思いを込めて、岡野電気が制定しました。

岡野電機はもともと家電の販売や電気工事を手がける企業でしたが、1955年に補聴器の販売事業を開始し聴覚ケアの専門企業として顧客に最適な補聴器を提供しています。

難聴が引き起こす障害が発生する前に適切な対策をとってもらうきっかけの日とすることを目的としています。

聴覚障害以外の障害に関する日

難聴や聴覚障害以外にも他の障害に関する記念日・啓発日もあります。

視覚障害や精神障害、難病といった日の代表的な一例は、以下の通りです。

世界点字デー(1月4日)

1月4日は「世界点字デー」です。

視覚障害者の権利を守るために設立された世界盲人連合によって定められました。

コミュニケーション手段としての点字の重要性に対する認識を高めることを目的とした国際デーの1つで、国際点字デーや世界点字の日などでも知られる記念日です。

世界自閉症啓発デー(4月2日)

4月2日は「世界自閉症啓発デー」です。

自閉症やその他の発達障害に対する理解を進めるための啓発活動を目的に、2007年12月の国連総会においてカタール王国王妃の提案決議を受けて制定されました。

世界の人々に自閉症やその他の発達障害に対する正しい理解を広めるために、ピラミッドやサグラダ・ファミリアなど各国で有名なランドマークを自閉症の人が好むといわれる青い光で照らすイベントが行われています。

日本でも4月2日から8日までを発達障害啓発週間として、シンポジウムやコンサート、作品展などを開催するほか、東京タワーをはじめとするランドマークや橋などのブルーライトアップが行われているのです。

参考:世界自閉症啓発デーと発達障害啓発週間(厚生労働省)

国際盲導犬の日(4月26日)

4月26日は「国際盲導犬の日」です。

1989年4月26日に国際盲導犬学校連盟が発足したことを記念し、1992年に国際盲導犬学校連盟が制定しました。

日付は国際盲導犬学校連盟の発足した日から4月の最終水曜日としていることからきており、目の不自由な人にとって大切なパートナーである盲導犬の普及と盲導犬に対する人々の理解を高めるのが目的です。

難病の日(5月23日)

5月23日は「難病の日」とされています。

日本難病・疾病団体協議会(JPA)が2014年5月23日に「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)が成立したことを記念し、患者や家族の思いを多くの人に知ってもらう機会とするのを目的に制定されました。

難病は一定の割合で発症するといわれており、決して特別なものではありません。

家族だけでなく友人や知人の中にも難病で療養されている人や治療を続けながら生活をしている人がいるかもしれません。

世界メンタルヘルスデー(10月10日)

10月10日は「世界メンタルヘルスデー」です。

メンタルヘルス問題に関する世間の意識を高め、偏見をなくし正しい知識を普及することを目的として、1992年に世界精神保健連盟が制定しました。

その後、世界保健機関(WHO)も協賛し正式な国際デーとされています。

国際白杖の日(10月15日)

10月15日は「国際白杖の日」です。

1970年に世界盲人連盟(現在の世界盲人連合)が、視覚障害への認識・関心を高めることを目的として制定しました。

視覚障害とはどんな障害なのか、どんなことに困っているのか、家族や友人たちと話してみてください。

点字の日(11月1日)

11月1日「点字の日」(日本点字制定記念日)です。

1890年11月1日に行われた日本点字の最終選定会で3つの有力な案の中から石川倉治次よる案が採用されたことから、2013年に日本点字普及協会が制定しました。

この日には、視覚障害者向け総合イベントとしてSight Worldなどが開催されます。

障害者に関する記念日や啓発日まとめ

障害者に関する記念日や啓発日は、障害の有無関係なくすべての人が共に生きる社会を考えるための日として決められたことがポイントです。

そして障害に対する理解を深めることで、すべての人が安心して暮らせる社会づくりに貢献することを目指しています。

障害者の権利や福祉について考えるきっかけとして、その日に想いを馳せ家族や友人などと話してみてください。

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