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難聴の人や聴覚障害者が困難なことにぶち当たる局面は?耳の不自由な人への対策・注意点

人の声や物の音が聞き取りにくくなったり聞こえない状態になったりすると、本人はもちろんのこと周りの家族や友人も戸惑ってしまうものです。

できることならうまくサポートしたいけれど、どうすればいいのかわからないと悩む人もいるのではないでしょうか。

難聴の人をサポートするには、まず、どんなことに不便を感じているのかを知ることが大切です。

日常生活では例えば自宅で電話やインターホンが鳴っている音、外出では後ろからくる車やバイクの音に気づかないことがあります。

今回は、難聴の人や聴覚障害者がどのようなことに困難や不便を感じているのか解説します。

難聴の人が生活する上で難しいことや困難なことにどんな対策をしたらいいのか、当事者の意識や周囲の人のサポートへのご参考になれば幸いです。

目次

難聴の人や聴覚障害者が困難なこと

聴力が低下したり聴覚障害になったりすると、日常のさまざまな場面で困ることがあります。

難聴の人や聴覚に障害をもつ人が日常を過ごす上で難しいことや困難なことは、主に以下の通りです。

  • 自分への呼びかけに気づかない
  • 周囲の会話が聞き取れない
  • 会話がスムーズにできない
  • 生活音に気づかない
  • 電話やインターホンでの通話ができない
  • 音声情報が聞こえない・聞き取れない
  • 緊急連絡ができない
  • 周囲の音が聞こえないため外出が怖い
  • 困りごとに対する留意点まとめ

次項からは上記に挙げた難しいことや困難なことの具体例とともに、当事者や周囲の人の対策・注意点を説明していきます。

自分への呼びかけに気づかない

聴力の程度など個人差にもよりますが、難聴・失聴の人は自分への呼びかけに気づかないことが多いです。

呼びかけに気づかない主な例

難聴の人や聴覚障害者は、左右や後ろなど自分の視覚にない位置から呼びかけられたり話しかけられたりしても反応できずコミュニケーションがとりにくくなります。

また病院や店舗などの待合コーナーで、自分の順番がきて名前を呼ばれても気づかないことも多いです。

呼びかけに気づかない対策・注意点

難聴の人や聴覚障害者が近くを横切った時に声をかけても反応がなかったら、必ずしも無視しているわけではないことに留意してください。

耳が不自由な人に声をかける時、周囲の人は視覚に入る位置まで近づくか肩を軽く叩いて合図をするなどして話しかけることが重要です。

病院や店舗などの待合室・待機スペースでは、受付の人にもし反応がなかったら合図をしてもらえるように事前にお願いしましょう。

周囲の会話が聞き取れない

難聴の人や聴覚障害者は、周囲の会話が聞き取れず内容がわからないことも多いです。

会話が聞き取れない主な例

難聴の人や聴覚障害者はセミナーや講演会といった大勢の人が集まる広い室内で、遠くにいる講演者の発する内容が聞き取れないことがあります。

複数人での会話でも、周りの話す内容があまり聞き取れないことで周囲とのやりとりに難しさを感じることも多いです。

とくに周辺の音や声が混ざってくる環境では、ほぼ聞き取れないことが大半です。

会話が聞き取れない対策・注意点

セミナーや講演会など多くの人が集まる会場でのイベントでは、資料を配布してくれることもあります。

しかし耳の不自由な人にとって講演内容をほとんど聞き取ることは不可能に近いため、字幕付きのスライドなどを活用してもらうことが重要になります。

また職場やサークルなど複数の人が集まった会議では、議事録をとるなどの対策が必要です。

筆者は打ち合わせの時にメモをとるようにしているとともに、話し合いが終わった後に打ち合わせで決まった内容を確認しています。

会話がスムーズにできない

難聴の人は最低限の会話ができますが、内容すべてを理解することは難しい面があります。

会話がスムーズにできない主な例

難聴の人や聴覚障害者にとって一対一で直接対話するコミュニケーションはうまくできても、複数人での会話になると次に話す人がわからなくなり会話の流れが理解できなくなることが多いです。

また筆談や手話、口話それぞれでテンポよく会話するのに困難を覚える人も少なくありません。

会話がスムーズにいかないと、職場や病院など公共の場でうまく説明できないといった問題も生じます。

会話がスムーズにできない対策・注意点

難聴や聴覚障害者といった耳の不自由な人にはよくあることですが、複数人での会話が単なる世間話であればあまり深く気にしないことが多いです。

一対一で直接対話するほうが重要な内容と考えている傾向があるため、口話が難しければ筆談でやりとりしましょう。

また公共の場では、難聴であることを伝えて筆談などをお願いする勇気も大切です。

生活音に気づかない

難聴の人にとって日常で入ってくる通常の音や声は聞こえるものの、聴力の程度によってテレビやインターホンなど生活する上で必要な音が入りづらいことがあります。

難聴の人や聴覚障害者が生活音に気づかない主な例・対策を紹介しますので、以下を参考にしてください。

目覚ましアラームが聞こえない

始業・就業時間に間に合うよう起きるには健聴者も同じく目覚ましアラームが必要ですが、難聴の人や補聴器を外して就寝する聴覚障害者には聞こえません。

そのため同居する家族がいる時は、起こしにいってあげることが必要です。

筆者は、学生時代に腕時計型の振動ウォッチを利用していたことがあります。

現在では窓から射し込む太陽の光や体内時計で起きることが可能ですが、慣れるまでは大変でした。

振動する腕時計については、別記事で紹介します。

電話やインターホンが鳴る音に気づかない

難聴の人や聴覚障害者が在宅中でも、インターホンの鳴る音が聞こえないと来客に気づけません。

電話の鳴る音にも気づかないことが多く、仮に気づけたとしても相手が発する内容を理解するのは難しいことが多いです。

最近では電話でもインターホンでも対応の可否や出る人によっては窃盗などの事件に巻き込まれる可能性があるため、予定がない場合には出ないに越したことはありません。

もし来客があることがわかっている場合は、訪問時間を決めておくといいでしょう。

家電製品のお知らせアラームに気づかない

難聴の人にとっては、洗濯機や電子レンジなどの稼働が終わったアラーム音に気づかないことも多いです。

しかし最近の家電製品には、終了予定時間が表示されるため心配はないといえます。

また故障した場合はお知らせ音だけでなく液晶によるエラーコードを表示できる製品が増え、バリアフリー対応ができているため安心です。

電話やインターホンでの通話ができない

前述の「生活音に気づかない」に通じますが、難聴の人はインターホンの鳴る音に気づけたとしても来客が誰なのかわからないこともあるため応対が難しいこともあります。

また電話に出ても相手が誰なのかわからないだけでなく、用件が何なのか聴力レベルによっては聞き取りが困難です。

家族や友人、知人、宅配便など来客をあらかじめ予定している場合は心配はありませんが、可能であれば相手の顔がわかるビデオ付きのインターホン機器があると安心です。

電話についてはやむを得ないため、FAXまたはEメールでお願いしましょう。

音声情報が聞こえない・聞き取れない

難聴の人や聴覚障害者にとってテレビやラジオといった音声での情報ツール、店舗や公共施設内の放送アナウンスが聞き取れないこともあります。

テレビやラジオなどの情報が得られない

テレビやラジオの音が聞こえないと情報が不足しがちになり、自分が発している音のボリュームも自覚がないと近所迷惑になる可能性もあります。

最新のテレビには出演者の発言をテロップに自動変換してくれる字幕モードがついているため、少しは助けになってくれます。

ただしラジオは難聴の人や聴覚障害者が自ら使うことはないため、インターネットを活用して情報を得るようにしたいものです。

お住まいの地域による情報は、自治体がSNSやLINEを運用しているか確認し活用することも検討してください。

緊急時の放送や警報が聞こえない

難聴・中途失聴者や聴覚障害者には、防災訓練や災害発生時の緊急放送や警報アラームが聞こえないという問題もあります。

室内に鳴り響く警報アラームであれば聞こえるかもしれませんが、店舗施設の館内放送や交通機関の車内放送が聞こえないと何が起こっているのか把握できません。

その時の状況や避難指示が聞こえないのは、とくに聴覚障害者にとって重大な問題といえます。

近年では、大きなデパートや商業施設でデジタルサイネージを設置することも増えてきました。

企業による努力が必要ですが、テレビモニターやデジタルサイネージを設置することで文字による緊急情報を配信することを検討していただきたいものです。

緊急連絡ができない

難聴の人や聴覚障害者が日常的に利用するサービスに、トラブルが起きた時の対応も困難な場合があります。

非常用ボタンの利用ができない

各種施設のエレベーターをはじめ電車内や駅ホームなどで万が一の事態が起きた時、付近にある非常通知ボタン(非常停止ボタン)の利用が難しいです。

非常用ボタンを押した後に状況を伝えたり相手側からの指示を受けたりするなど会話が難しいため、緊急時に利用できるツールが限られてしまいます。

ただし、非常事態が起きた時に通知することは避けられません。

一方的になっても構いませんので、非常用ボタンを押したら状況を伝えることが重要です。

その際に、管理番号や車両番号など近くに見える各種番号も伝えると位置もわかりやすいでしょう。

カード類の手続き

キャッシュカードやクレジットカードの紛失による利用停止や解約をしたい場合に、カード会社のほとんどはまず電話をする必要があることが多いです。

そのためカード類を発行する場合は、停止・解約する時もオンラインによる対応が可能なのかカード会社を選ぶことをおすすめします。

金融機関のATM

金融機関のATMで現金の引き落としや預け入れを行う時、システムトラブルが生じた場合にもインターホン電話での通話が必要です。

カードはセキュリティー面からそのままATM機器の中に収納されれば安心ですが、近くに警備員がいる場合や窓口が開いている場合はすぐに事情を説明して対応してもらいましょう。

周囲の音が聞こえないため外出が怖い

難聴や聴覚障害があると、危険を察知しにくくなる怖さがあります。

例えば車やバイクが近づく音や信号音なども聞こえにくいため、公共交通機関の利用も不安になることも多いです。

難聴や聴力低下が進行するほど、外出へのハードルが高くなる可能性があります。

そのため公園をはじめ、海や山など誰とも言葉を交わす必要がない自然の中を歩くのをおすすめします。

困りごとに対する留意点まとめ

難聴の人や聴覚障害をもつ人にとって、限定的ではありますが上記以外にも困難なことがあります。

筆者の経験になりますが、例えばパソコンやプリンタといった業務用品や家電製品など大型商品の買い物には商品購入後のアフターサポートを確認しておきましょう。

メーカーによっては製品購入前の案内はオンラインでも可能なのに対して、製品購入後の問い合わせサポートには電話のみの対応であることも多いです。

とくに製品購入やサービス利用の条件を確認するだけでなく、あらゆる商品・サービスを契約する前に故障修理の対応や解約手続きといった利用後のことを事前に確認しておきましょう。

他には大型商品を配送してもらう際、配送会社の訪問でインターホンが聞き取れない人は訪問前に電話コールしてもらうなど対策を相談することも重要です。

ここで紹介した困りごとはあくまで一例であり、聴力の程度によっては難しいことや困難なことは他にもあります。

そのため何かをする時には、後のことを見据えた上で困ることがないように行動することをおすすめします。

難聴の人が困難にぶち当たる局面まとめ

難聴の人や聴覚障害者にとって、困難なことにぶち当たった時。

まず自分でどうしたらいいのか、どう対策すれば可能にできるのか考えて行動することが基本にあります。

それでも聴力の程度をはじめ環境や条件によって、自分ではどうすることもできないことがあるのも事実です。

そんな時に、周囲の協力なくしてはその困難を乗り越えることはできません。

当事者の努力に加えて、周囲の人もカバーやサポートができる仕組みになるといいものですね。

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