
世界で40,000店舗以上を展開するコーヒーチェーンのスターバックス コーヒー。
スターバックスでは聴覚障害者の店員が接客することがあり、難聴や聴覚障害をもつ利用客に対してもスムーズに対応できるような体制が整っています。
また聴覚障害に限らず、他の障害をもつ人でも従業員として活躍できる場を提供しています。
この記事ではスターバックスの基本概要に触れながら、聴覚障害のある従業員による接客対応や障害者雇用への積極的な採用システムについて紹介します。
障害の種類に関係なく多様な人たちが活躍できる環境を提供するスターバックスの取り組みを知るご参考になれば幸いです。
スターバックスコーヒーとは

スターバックスコーヒーは、米国に本社を置く世界最大のコーヒーチェーンです。
スターバックスの誕生・歴史
スターバックスは、1971年に米国・ワシントン州シアトルでスターバックス コーヒー1号店をオープンしたのが始まりです。
1996年には米国とカナダでの店舗数が1,000店舗を超え、同年8月に東京・銀座で日本1号店となる銀座松屋通り店をオープンしました。
その後1998年にヨーロッパ、1999年に中国へ進出し、世界87カ国で4万店舗以上を展開するほど世界最大のコーヒーチェーンに成長していったのです。
日本に進出してから30年を迎える目前に、国内店舗は2,000店舗以上まで拡大しています(2025年9月末時点)
米国スターバックスの会社概要
米国スターバックスの会社概要は、以下の通りです。
| 会社名 | Starbucks Corporation (スターバックス・コーポレーション) |
| 本社 | アメリカ |
| 設立 | 1971年 |
| 事業内容 | 喫茶店の経営 コーヒーおよび関連商品の販売 |
| 世界全体の店舗数 | 40,000店舗以上(80カ国以上) |
スターバックスの店舗は米国が最多の約17,000店舗(全体の42%)を構え、次いで中国、韓国が3位となっています。
しかし店舗数は日々変動しており、米国・中国・韓国・日本の上位4カ国で全店舗の約7割を占める勢いです。
日本スターバックスの会社概要
日本におけるスターバックスの会社概要は、以下の通りです。
| 名称 | スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社 |
| 本社 | 東京都品川区 |
| 設立 | 1995年10月26日 |
| 事業内容 | コーヒーストアの経営 コーヒーなどの関連商品の企画・開発・販売 |
| 日本国内の店舗数 | 2,077店舗(うちライセンス店舗192店舗) |
スターバックス コーヒー ジャパンは、スターバックス コーヒー インターナショナル社と株式会社サザビー(現:株式会社サザビーリーグ)の合併会社です。
米国スターバックス社の国際事業部門を担う子会社と日本の小売・飲食店業が日本での店舗展開を目的に提携を結び、1995年にスターバックス コーヒー ジャパン 株式会社が設立されました。
日本におけるスターバックスの理念
スターバックスは高品質なコーヒー豆と心地よい空間、パートナー(従業員)による質の高いサービスで人と人との繋がりを大切にしコミュニティを育む場所として世界中で親しまれています。
そんなスターバックス コーヒー ジャパンのミッションは、
「人々の心を豊かで活力あるものにするために ― ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティから」
です。
スターバックスは、シアトル系コーヒーの元祖として美味しいコーヒーと、家でも職場でもない「サードプレイス(第3の場所)」を提供することを目指しています。
聴覚障害者に優しいスターバックスの姿勢

スターバックスでは店舗によりますが、聴覚障害のあるパートナー(店員)が接客をする時があります。
また聴覚障害のあるパートナーを中心に運営するサイニングストアがあるのをご存知でしょうか。
ここでは聴覚障害のある店員や利用客に遭遇したSNSでの反応、サイニングストアについて紹介します。
パートナー(店員)の接客対応
スターバックスでは聴覚障害のあるパートナー(店員)が接客対応する時、指差しで注文する専用のメニューシートが差し出されます。
Twitter(X)では、聴覚障害のある店員が接客対応する状況に遭遇した人のエピソードが見られましたので参考にしてください。
利用客へのサポート対応
もちろん、難聴や聴覚障害のある利用客への対応も専用のメニューシートを使ってスムーズに注文できるようになっています。
Twitter(X)では、聴覚障害者がスターバックスを利用した感想のポストも見られました。
筆者が体験した店員の対応
時々利用するスターバックス店舗では筆者が聴覚障害者であることに気づいてくれたようで、会計後に手話で「ありがとう」と伝えられたことがあります。
筆者は発話する訓練を中心に言語を獲得したために手話はできませんが、以前に職場で働いていた派遣女史からよく使いそうな手話を教えてもらっていたため同じように「ありがとう」と返しました。
また、聴者の店員でもテイクアウト用の紙コップにメッセージを添える粋な計らいもしてくれるのです。
聴覚障害に特化したサイニングストア

サイニングストアというのは、聴覚障害のある従業員を中心に手話を共通言語として運営している店舗のことです。
スターバックスにもサイニングストアがあり、アメリカや中国をはじめ2020年に日本初として東京・国立でもオープンしました。
ほとんどが手話でのやりとりですが、手話ができない人でも指差しで注文できる専用のメニューシートや筆談具も用意されています。
以下の記事では、スターバックスのサイニングストアについて紹介していますので併せてお読みください。

障害者の個性が輝くスターバックスの取り組み

スターバックスは、聴覚障害に限らず他の障害をもつ人でもチャレンジパートナー(障害のあるパートナー)として活躍できる場を提供しています。
無限の可能性をコンセプトに
スターバックスでは聴者と聴覚障害のある人が共に働き、多様な人たちが自分らしく過ごし活躍できる居場所の実現を目指しています。
そんなスターバックスの店舗におけるコンセプトは「Infinite Possibilities(無限の可能性)」です。
聴覚障害のあるパートナーやお客さんにとって、ありのままの自分で居られる場所であり障害のある若者にとって夢や未来を描ける場所、この店舗を訪れた誰もが新たな気づきを得られる場所になればと考えています。
障害をもつ人がスターバックスで働く選択肢ができていることを考えると、障害が働き方の壁にならない今の世の中は本当に恵まれていることを改めて感じます。
障害という個性が輝く居場所
スターバックスでは、誰もが活躍できる職場であるために「チャレンジパートナー サポートプログラム」を設けています。
チャレンジパートナー サポートプログラムは、障害が理由で何らかのサポートが必要なパートナーを支援する制度です。
主にパフォーマンスを発揮するための専用トレーニングツールやサポートツールの提供、勤務時間など働き方の調整などが組み込まれています。
聴覚障害に限らず障害のある従業員が働きやすい環境を整えながら、1人ひとりの個性や特性に沿ったサポートを提供できる仕組みです。
そしてチャレンジパートナー(障害のあるパートナー)として、本来の能力を最大限発揮しながら持続的に活躍できる職場を実現しています。
スターバックスの障害者雇用
スターバックスの障害者雇用率は3.15%(2020年6月1日付)です。
障害者雇用促進法において、民間企業に義務づけられている2020年当時の法定雇用率2.2%を大きく上回っています。
スターバックスは単に雇用率をクリアするだけでなく、障害のあるパートナーが安心して長期的に働けるダイバーシティ&インクルージョンを推進しているのでしょう。
スターバックスの障害者採用は業界内でも高い水準を保っており、障害者雇用促進への貢献が評価され厚生労働大臣賞(障害者雇用優良事業所等の厚生労働大臣賞表彰)を受賞しています。
なお、2025年時点で民間企業に義務づけられている障害者の法定雇用率は2.5%です。
障害者雇用促進法や法定雇用率については、下記記事をご参考ください。

スターバックスでは全国的に障害者雇用での求人を随時行っていますので、下記リンクから確認してみてください。
多様性を尊重する文化をより広く社会へ
スターバックスは働くパートナーによって形づくられるからこそ、誰もが心地よく活躍できる「居場所」づくりを大切にしています。
・人種、年齢、性別、役割や雇用形態、障害の有無、価値観など、あらゆる違いを認め合えること
・すべての人を温かく迎え入れ、一人ひとりが自分らしくいられること
・多様化するライフスタイルやライフステージの変化に応じて、能力や強みを生かせること
自らオーナーシップをもってキャリア形成が実現できる環境を整えるとともに、多様性を尊重する文化をスターバックスで、そして社会へと広めていくスタンスです。
障害者も活躍するスターバックスまとめ

一部のスターバックス店舗では、聴覚障害のあるパートナー(従業員)が接客を行うことがあります。
手話でのやりとりを中心にしたサイニングストアも運営するほど、聴覚障害者が働きやすい環境をつくっているのです。
逆に、難聴や聴覚障害のある利用客にも注文から商品受け取りまで使いやすい工夫がされています。
障害の有無や種類に関係なく、誰もが自分らしく活躍できるインクルーシブな社会の実現を目指しているわけです。
以前からスターバックスの積極的な聴覚障害者の採用は素晴らしいなと感じていましたが、サポートプログラムを通じて能力を発揮しやすい環境づくりが「できると信じる」気持ちを起こさせているのでしょう。
筆者は時々スターバックスを利用していますが、この取り組みを知ってから利用頻度がより高まりました。
健聴者も難聴者も分け隔てることなく運営するスターバックスの姿勢を知るためにも、とくにサイニングストアを一度は利用してみてはいかがでしょうか。
以下の記事では、聴覚障害者のパートナーを中心に運営するスターバックスのサイニングストアについて紹介していますので併せてお読みください。

障害者が社会に参加する上で生じる4種類のバリアと心のバリアフリーの重要性について、下記記事で解説していますのでご参考ください。

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