補聴器が必要かどうかの判断基準は?購入するまでの流れや専門店の選び方

補聴器が必要かどうかの判断基準は?購入するまでの流れや専門店の選び方

難聴や聴力の低下により補聴器の使用が必要になったら。

初めて補聴器を使う人や購入を検討している人にとって、何から手をつけていいかどんなことに注意したらいいのか戸惑うことも多いでしょう。

精密な医療機器である補聴器の必要性を確認したり購入したりするために、補聴器を専門とする店や人を把握しておくことで使う人の聞こえに応じた使いやすいツールにしていくことが重要です。

この記事では補聴器が必要になったかどうかの判断基準、補聴器を購入するまでの流れを紹介します。

補聴器の購入にあたって抑えておきたいことや購入費用における留意点もポイント解説していますので、補聴器をスムーズに購入するためのご参考になれば幸いです。

目次

補聴器の必要性を判断するには?

難聴は、生まれつき聴力の低い先天性難聴や突然聞こえなくなる突発性難聴もありますが、病気や加齢などにより気づかないうちに徐々に進行することがあります。

相手の発する会話の内容を聞き返すことが多くなったり車やインターホンの音に気づかなかったりしたら、まずは耳鼻咽喉科を受診して難聴かどうかの診断を仰ぐことが大切です。

どこの耳鼻咽喉科を選んだらいいのかは、補聴器相談医に認定されている医師に受診するのがおすすめです。

補聴器販売店とも提携しているため、適切な助言のもとで自分に合った補聴器が見つかりやすく手に入れられます。

耳鼻咽喉科に相談すべきかどうかは、以下の項目を参考にしてください。

  • 相手の会話が聞き取りにくい・聞き返す
  • 相手の話す内容を聞き間違えてしまう
  • 後ろから呼びかけられても気づかない
  • 人や電化製品の高い音が耳に入ってこない
  • 車やバイクの音に気づかず危ない思いをする
  • 自分の話し声が大きくなる(相手に指摘される)
  • 耳鳴りやめまいがする

難聴は年齢を問わず発症する可能性があるため、まだ高齢ではないからとそのままにしてしまうと進行する恐れがあります。

耳鼻咽喉科医あるいは補聴器相談医より補聴器が必要と診断されたら、補聴器の購入・装用を先延ばしにしないことが大切です。

後回しにすると聴覚に刺激が与えられなくなるため難聴の症状が悪化してしまうこともあります。

また人との関わりを避けるようになったり精神も安定しなくなったりする可能性もあるため注意が必要です。

耳鼻咽喉科医の探し方・選び方については、下記記事をご参考ください。

補聴器を購入するまでの流れ

いくら補聴器が高性能で医療機器であっても、使う人の聴力や生活環境に合わせた適切な調整を行わないと効果は十分に発揮できません。

補聴器の購入を検討してから、自分の聴力に適した満足できる補聴器になるまでの流れを説明します。

(1)耳鼻科医師の診断

耳が聞こえにくくなったと自覚があったり周囲から指摘があったりしたら、耳鼻咽喉科医師による診断や検査を受けて補聴器が必要か効果があるかを判断してもらいます。

補聴器を購入する前にまず耳鼻科へ

(2)補聴器販売店への確認

補聴器が必要だと診断された場合は、補聴器販売店で相談しながら種類や性能などを確認します。

補聴器販売店で種類や性能を確認

(3)購入後の調整・メンテナンス

補聴器の購入後も使う人の聴こえに合わせて定期的に調整したり汚れや詰まりなどを取り除くための点検・メンテナンスを行います。

購入後も聴力に応じて調整・点検

補聴器を購入する前にまず耳鼻咽喉科へ

耳鼻咽喉科を受診した人でも治療で難聴が改善される場合や別の病気が見つかった場合も報告されています。

耳内の炎症や耳垢の詰まりなど、耳鼻咽喉科での治療により聞こえにくさが治る可能性や病気の合併症として難聴になっている可能性があるためです。

まずは耳鼻咽喉科で適切に診断してもらい、補聴器が必要かどうか相談しましょう。

前述の通り、補聴器に関しては耳鼻咽喉科医の中でも補聴器相談医に認定されている専門医を受診することをおすすめします。

補聴器相談医については、下記記事をご参考ください。

もし補聴器が必要だと診断された場合は、自分に適した補聴器を購入するために聴力検査が必要です。

聴力に関する情報は医師から補聴器販売店へ診療情報提供書を通して伝わり、補聴器購入の重要な情報になります。

補聴器販売店で種類や性能を確認

補聴器を購入することが決まったら、補聴器販売店で補聴器の種類や性能など個々の聞こえに合った補聴器を確認します。

この時にどのくらい小さな音まで聞きとれるか、言葉がどのくらい聞き取れているのか聴力測定も行われますが、補聴器相談医による聴力検査の結果を提出しても問題ありません。

聴力データやライフスタイルなどから使う人に合った補聴器を選び、聴力に合わせて聞こえや装用具合などを調整します。

補聴器を視聴したりつけた状態で聞こえの状態(補聴効果)を測定したりした上で、使う人の聴力に合った補聴器が見つかったら購入を決めます。

具体的な補聴器の販売店については後述しますが、全国に10,000店舗以上もある販売店から「認定補聴器専門店」で購入するのがおすすめです。

補聴器に関する豊富な知識と経験をもとに選定や調整が行える「認定補聴器技能者」が常勤しているなど、一定の基準をクリアした補聴器販売店を「認定補聴器専門店」といいます。

補聴器を購入するだけなら一般のメガネ店や通販サイトなどがありますが、自分に適した補聴器を購入できるのは認定補聴器専門店です。

購入後も聴力に応じて調整・点検

補聴器は購入したら終わりではありません。

使い始めは補聴器を通じて入ってくる音がうるさかったり音域によってはきちんと拾えなかったりして使い続けることが難しいと感じることがあります。

それは、今まで聞こえなかった音が補聴器により聞こえるようになったためです。

難聴の程度や聞こえ方は1人ひとり違います。

高い音(高音)が聞こえづらくなっていたり低い音(低音)が耳に入りづらくなっていたり、補聴器を使用する環境も異なります。

補聴器の性能を最大限に発揮させるためには、1人ひとりの聴こえに合わせて調整(フィッティング)することが必要です。

また汚れや詰まりなどで補聴器の音がきちんと耳内に届いていないと、聞こえに影響が出ることもあります。

補聴器をできるだけ長く使えるように、定期的な点検やクリーニングなども大切です。

購入した販売店が認定補聴器専門店であればアフターサポートを行っているため、月に1回あるいは2~3ヶ月に1回は聴力に応じて調整したり汚れを清掃したりして点検・メンテナンスを受けましょう。

補聴器を購入するための目安・ポイント

補聴器を購入する時は、認定補聴器技能者がいる認定補聴器専門店で購入することが望ましいです。

補聴器を販売するためには資格が必要

補聴器は、医療機器であり中でも管理医療機器に分類されます。

補聴器を販売するためには、管理医療機器の販売業・貸与業の届出と営業所管理者(販売営業所管理者講習会の受講者)の設置が必要です。

また管理医療機器に分類される補聴器は、専門知識をもった人がフィッティングや修理をすることが望まれています。

そこで補聴器業界では、公益財団法人テクノエイド協会が主催し、一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会や一般社団法人日本聴覚医学会が後援する認定補聴器技能者養成事業を作り、補聴器の専門家である認定補聴器技能者の育成を図っています。

医療機器や管理医療機器については、下記記事をご参考ください。

まずは補聴器専門店へ

補聴器は、一般的に補聴器専門店をはじめ街中にある大きな眼鏡店やインターネット通販などで購入することができます。

その中でも医療機器である補聴器を安心して購入できる店が、補聴器専門店です。

理由は、補聴器専門店であればどの店舗でも一定水準以上の専門知識をもった従業員がいるためです。

補聴器は1人ひとりに合わせた調整が必要な商品のため、調整は使う人の聴力測定データとカウンセリングをもとに行います。

それを適正に判断し、調整を行えるのは補聴器に対しての正しい知識と経験をもったスタッフだけです。

使う人に合った調整が行われて初めて補聴器の性能が発揮できるため、補聴器の購入は技術と経験をもったベテランスタッフがいる補聴器専門店をおすすめします。

しかしいくら補聴器専門店であれば一定水準以上の技術と経験があるといっても、店舗によって差があります。

できることなら、より知識と技術が豊富な店舗を選びたいはずです。

そこで、補聴器のプロフェッショナルである認定補聴器技能者がいるとより安心さが増します。

認定補聴器技能者とは

認定補聴器技能者とは、補聴器販売に従事する販売員の中でも知識をさらに高めた専門家です。

2024年12月時点で約4,800人が登録されており公共財団法人テクノエイド協会が認定しています。

認定補聴器技能者の認知度

図解・認定補聴器技能者の認知度グラフ

一般社団法人 日本補聴器工業会の調査によると、認定補聴器技能者を知っている難聴者は全体の14%です。

また補聴器を使っていない人のうち90%、補聴器を使っている人のうち59%と半数以上が認定補聴器技能者という専門を知らないというデータ結果でした。

認定補聴器技能者の役割

認定補聴器技能者は補聴器に特化した資格をもつ専門家のため、聞こえや補聴器に関する専門的な知識・技能が備わっています。

最新の機種も含めて補聴器に関する知識も豊富であるため、自分に合った補聴器を的確に提案してもらえる点が大きなメリットです。

また、耳鼻咽喉科の医師と連携して対応できる点もメリットの1つです。

そんな認定補聴器技能者が在籍しているのが、後述する認定補聴器専門店です。

認定補聴器技能者については、下記記事もご参考ください。

認定補聴器専門店とは

認定補聴器専門店は、認定補聴器技能者が在籍し補聴器の調整・選定に必要な測定機器や設備について公益財団法人テクノエイド協会の認定審査基準をクリアした販売店です。

認定補聴器専門店の認知度

図解・認定補聴器専門店の認知度グラフ

一般社団法人日本補聴器工業会の調査によると、認定補聴器専門店を知っている難聴者は全体の21%しかありません。

補聴器を使用している人のうち、46%の人が認定補聴器専門店を知らないというデータが出ています。

認定補聴器専門店の条件やサービスの役割を知って、後悔のない補聴器の購入をしてください。

認定補聴器専門店の条件

認定補聴器専門店は、公共財団法人テクノエイド協会による審査で以下の条件を満たしていると認められた補聴器専門の販売店です。

  • 認定補聴器技能者が常駐している店
  • 補聴器を購入するために必要な設備が完備している店
  • 利用者が安心し信頼して相談できる店

認定補聴器専門店のサービス

認定補聴器専門店は、補聴器の利用者やその家族、または購入希望者に対し以下のサービスを提供しています。

  • コンサルティングやガイダンス
  • 補聴器を選択・調整するための聞こえの測定
  • 補聴器の選択と調整
  • 補聴器効果の確認
  • アフターケア
  • コンサルティング

認定補聴器専門店については、下記記事もご参考ください。

補聴器の購入費用におけるポイント

精密な医療機器として高額な補聴器ですが、実は保険適用ではありません。

健康保険や生命保険、介護保険の適用ができないため、原則的には自費購入です。

しかし条件によっては、購入費用の負担を軽くできる場合があります。

以下のポイントを抑えて、できるだけ補聴器購入の費用負担を軽減しましょう。

補聴器は消費税がかからない

補聴器は、薬機法で定められた医療機器のため、消費税のかからない非課税対象商品です。

そのため補聴器の本体をはじめ、オーダーメイドで耳型をつくるイヤーモールド、購入済みの補聴器を修理する際にかかる費用に消費税はかかりません。

なお充電器やリモコン、乾燥ケース、交換電池などのアクセサリー・周辺機器には消費税がかかります。

補聴器購入費助成制度

補聴器の購入は、保険の適用とはならないため自費購入です。

しかし補聴器相談医の判断や公的機関の判定など、条件によっては購入費用を軽減できる補聴器購入費助成制度を活用できます。

難聴の程度や補聴器の種類にもよるため、購入する前に補聴器相談医や認定補聴器専門店に確認してみてください。

医療費控除の対象

補聴器は、これまで医療費控除の対象ではありませんでした。

しかし2018年(平成30年)から「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」を活用することで、医療費控除の対象となりました。

補聴器相談医を受診して補聴器が必要と判断された場合は、一定の医療費控除を受けることが可能です。

参考:補聴器の購入費用に係る医療費控除の取扱いについて(国税庁)

補聴器の購入費用補助や医療費控除については、別記事で紹介します。

生活の質を保つ補聴器の購入まとめ

補聴器は難聴や聴力低下による聞こえづらさに悩む人にとって、日常生活で役立つ聴こえのツールでありパートナーです。

相手や周りの会話だけでなく映画やテレビを観たり音楽を聞いたりする際、難聴の人は音が歪んで聞こえてしまい苦痛に感じることがあります。

また電話やインターホンが鳴っていることに気づかなければ対応ができず、車が後ろから近づいてくることに気づかなかったらすぐによけることができません。

そんな時に補聴器はあらゆる音声の聞こえづらさを緩和し、コミュニケーションや生活環境を快適にしてくれます。

もし、あなたに補聴器が必要だと診断されたら。

補聴器を使うことを躊躇せずに、メガネと同じように生活の質を保っていきましょう。

以下の記事では、補聴器を使うことによるメリット・デメリットについて紹介していますので併せてお読みください。

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この記事を書いた人

つむぎのアバター つむぎ クリエイター

重度難聴で耳あな型補聴器を装用
聴覚障害者として身体障害者手帳3級を所有
本業・副業ともにWebを中心としたデザイン制作

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