補聴器の加盟・非加盟メーカーは何が違う?非加盟7ブランドの特徴とメリット・デメリット

補聴器の加盟・非加盟メーカーは何が違う?非加盟7ブランドの特徴とメリット・デメリット

テレビ通販やインターネット広告、あるいは身近な家電量販店や大手メガネチェーンなどで見かける大企業の補聴器。

例えば、医療機器でおなじみの「オムロン」や音響メーカーとして名高い「オンキヨー」、カメラの老舗「ニコン」といった誰もが知る有名ブランドの製品です。

信頼できる大企業の製品だから・価格も数万円程度とお手頃だからこれでいいかもと購入を検討されている人も多いのではないでしょうか。

しかし、いざ詳しく調べてみると、これらの有名ブランドは安心の基準である日本補聴器工業会の加盟メーカーとして登録されていません。

つまり、業界団体が認めていない非加盟メーカーというわけです。

「大企業なのにどうして加盟していないのか」「安すぎて品質に問題があるのでは…」と一気に不安になってしまいますよね。

結論からいうと、これら非加盟メーカーの製品が名簿に載っていないのには品質とは全く別の明確な裏側の仕組み(OEM販売)があるからです。

この記事では、難聴当事者として長年補聴器を利用し購入後のフィッティング(微調整)の重要性を知る筆者が、オムロンやオンキヨー、コストコなど主要な非加盟7メーカーの特徴を解説します。

なぜ日本補聴器工業会の会員名簿に載っていないのかという仕組みから購入前に必ず知っておくべきメリット・デメリットまでをフラットに整理しました。

手軽な補聴器を賢く、後悔なく選びたいという人は、ぜひ最後までお読みください。

目次

補聴器の加盟メーカーと非加盟メーカーは何が違う?

安心して購入できる補聴器を探しているけれど、テレビ通販や家電量販店などでよく見る有名企業の名前が載っていない…。

実は、日本国内で流通している製品には公式な補聴器の業界団体「日本補聴器工業会」に正会員として加盟しているメーカーと、そこには所属していない非加盟のメーカー(ブランド)が存在します。

この2つには、単に業界団体に入っているかどうかという形式的な違いだけでなく、製品の設計思想や対応できる難聴の度合い、そして購入後のサポート体制に決定的な違いがあります。

まずは、知っておきたい3つの大きな違いをポイント解説します。

(1)「対面での細かい調整」を前提としているか

加盟・非加盟メーカーの補聴器で一番の大きな違いは、パソコンを繋いで行う細かな音の微調整(フィッティング)ができるかどうかです。

加盟メーカーの補聴器

加盟メーカーの補聴器は、使う人の聞こえの変化や仕事・趣味・自宅などの生活環境に合わせて、数十カ所もの周波数をプロの手で精密にカスタマイズしていくことを前提に作られています。

非加盟メーカーの補聴器

非加盟メーカーの補聴器は、自分で手元で音量を上げ下げしたり簡易的な設定を切り替えたりするだけで、すぐに使える調整不要(または簡易調整のみ)の仕様に割り切って作られているものがほとんどです。

(2)対応できる「難聴の度合い」の広さ

補聴器には聞こえの低下が進んでいる人ほど、雑音を強力に抑えたり大きなパワー(出力)を出したりする高度な医療テクノロジーが必要です。

加盟メーカーの補聴器

加盟メーカーの補聴器は、軽度難聴から中等度・高度、そして最もパワーを必要とする重度難聴まであらゆる聞こえのレベルに対応した豊富なラインナップが揃っています。

非加盟メーカーの補聴器

非加盟メーカーの補聴器は、出力や機能に限界があるため基本的には聞こえの低下が気になり始めたばかりの人や軽度難聴の人向けの製品が中心です。

(3)サポート体制と販売ルートの違い

加盟・非加盟メーカーの補聴器は、どこで買えて購入後にどこで面倒を見てもらえるかという安心感の仕組みも異なります。

加盟メーカーの補聴器

加盟メーカーの補聴器は、専門の設備がある補聴器専門店や耳鼻咽喉科の補聴器外来などを通じて対面で販売され、国内の自社工場や拠点で迅速な修理・パーツ供給が受けられます。

非加盟メーカーの補聴器

非加盟メーカーの補聴器は、通販や家電量販店、大手メガネチェーンなどで手軽に購入できる反面、購入後に補聴器専門店に持ち込んでも調整や修理を断られてしまうケースがほとんどです。

日本補聴器工業会の非加盟メーカーが展開する主要7ブランド

テレビのCMや新聞広告、身近な店舗でよく見かける補聴器の中には、大企業でありながら実は日本補聴器工業会の加盟メーカーとして名簿には載っていないブランド(製品)があります。

決して製品の品質に問題があるわけではなく、他業界から参入した大手企業が展開しているケースや対面での微調整を必要としない独自の設計で作られているケースが多いためです。

ここでは日本国内で購入できる主要な非加盟の7ブランド(製品)について、それぞれの特徴や実態を詳しく見ていきましょう。

【対応表】独自の流通・設計をとる主要7ブランド一覧

まずは、知名度が高く独自の強みをもつ主要7ブランドの製造・販売元の実態と大まかな特徴を一覧表にまとめました。

ブランド名をクリックすると、それぞれの詳しい特徴などを確認できますので参考にしてください。

スクロールできます
ブランド名
(製品名)
メーカー名
(販売・運営元)
開発・製造の実態主な特徴と流通ルート
フィリップスデマント・ジャパン工業会加盟の「デマント」が開発・製造コストコなどで流通、中身は世界大手製
ニコンニコン・エシロール工業会加盟の主要メーカーなどからOEM供給メガネ店で流通、大手カメラブランドの安心感
オムロンオムロン ヘルスケア医療機器大手が展開、製造は外部委託家電量販店や通販、手軽に買える軽度難聴向け
ミミー電子ミミー電子株式会社国内の自社工場(東京)で製造・販売国産の低価格・高品質なポケット型が中心
オンキヨープレシードジャパンなど工業会加盟の「WSオーディオロジー」と提携通販や家電系、音響老舗の技術を活かした耳あな型
コストココストコホールセールジャパン補聴器大手が製造を担うプライベートブランドコストコ店舗限定、超高性能ながら圧倒的な低価格
パリミキ株式会社パリミキ補聴器大手が製造を担うプライベートブランドパリミキ店舗限定、大手メガネ店の万全な対面フォロー

フィリップス(Philips/デマント)

オランダ発・大手ヘルスケアブランドの安心感と、名門デマントの最先端AI技術を併せ持つ実力派

特徴と仕組み:ライセンス契約による最先端の聞こえ

フィリップスは、電気シェーバーや電動歯ブラシなどで誰もが一度は目にしたことがあるオランダ発のグローバル企業です。

補聴器事業においては、自社でゼロから製造しているわけではありません。

世界大手の補聴器メーカーでオーティコンの親会社でもあるデンマークの「デマント」とライセンス契約を結び、製品を展開しています。

製品の中身は世界トップクラスであるデマント社の高度な医療機器テクノロジーがベースになっているため、主要な非加盟ブランドの中では圧倒的な高性能を誇るのが最大の特徴です。

とくに最新のAI技術を詰め込んだ製品は、騒がしいレストランや街中での会話を驚くほどクリアに拾い上げることができます。

その確かな実力は、国際的なアワードや国内の製品賞を受賞するなど専門家からも高い評価を受けています。

フィリップスの主な歩みと歴史

1891年オランダにて電球メーカーとして創業、その後、世界的なヘルスケア大企業へ
2020年デマントグループとのライセンス契約に基づき、フィリップスブランドの補聴器が日本初上陸
2022年AI搭載補聴器「フィリップス ヒアリンク」シリーズが、日本経済新聞社主催の「日経優秀製品・サービス賞 日経産業新聞賞」を受賞

日本国内での展開とサポート体制

フィリップスの補聴器は、主に全国のコストコ補聴器センターや高い技術力をもつ一部の補聴器専門店などで広く取り扱われています。

非加盟ブランドではありますが、デマント・ジャパン株式会社がバックアップしているため確実な国内修理やメンテナンス体制が整っています。

日本総代理店(窓口)デマント・ジャパン株式会社
所在地東京都品川区東品川4-12-3 品川シーサイドTSタワー11階
公式サイトhttps://www.philips.co.jp/

補足として、デマントは補聴器先進国のあるデンマーク生まれで日本補聴器工業会の加盟メーカーです。

以下の記事では、デマントの歴史やブランド展開するオーティコンの特徴を紹介していますのでご参考ください。

ニコン(Nikon/ニコン・エシロール)

カメラの老舗が届ける、日本人向けの使いやすさと電池交換の手軽さにこだわった補聴器

特徴と仕組み:メガネレンズの老舗が手がける安心感

ニコンといえば世界的なカメラメーカーとして有名ですが、補聴器事業は主にメガネレンズの製造・販売で知られる「株式会社ニコン・エシロール」が手がけています。

ニコンの補聴器は、日本人による日本人のための聞こえを徹底して意識しているのが大きな特徴です。

海外製のような複雑すぎる多機能さよりも、シニア世代が毎日ストレスなく使える使いやすさや指先が少し不自由でも簡単に行える電池交換の手軽さを何よりも大切にしています。

日々の生活の中でテレビの音や家族との会話がパッと鮮やかに聞こえるような、親しみやすさを重視した国産設計のブランドです。

ニコン補聴器の主な歩みと歴史

1917年光学機器メーカーとして日本で創立(後のニコン)
2000年日本のニコンとフランスのエシロール社が統合して「株式会社ニコン・エシロール」が誕生、補聴器事業も同社へ引き継がれる

日本国内での展開とサポート体制

ニコンの補聴器は、そのルーツがメガネレンズ会社であることから全国の主要な大手メガネチェーン店や眼鏡店を中心に深く浸透しています。

近くのメガネ店で定期的なクリーニングや簡単な点検を気軽に相談できるのが、ユーザーにとって大きな安心材料となっています。

運営会社名株式会社ニコン・エシロール
所在地東京都墨田区両国2-10-14 両国シティコア
公式サイトhttps://www.nikon-essilor.co.jp/

オムロン(OMRON/オムロン ヘルスケア)

体温計や血圧計でおなじみの医療機器大手が、調整不要の仕様に割り切ることで実現した安さと手軽さ

特徴と仕組み:通販や家電量販店で気軽に買える、割り切りモデル

オムロンは、体温計や血圧計など家庭用医療機器の国内トップメーカーです。

オムロンの補聴器は、通販や家電量販店で数万円程度から購入できる圧倒的な安さが特徴です。

ピーピーという不快なハウリング音を抑えたり、大きな音の音割れを防いだりする基本機能がしっかり備わっています。

ただし、街中にある補聴器専門店ではオムロンの製品はほとんど取り扱われていません。

なぜなら、オムロンの補聴器はパソコンに繋いで音を細かくチューニングする調整機能をあえて無くしているためです。

プロによる対面での細かな微調整(フィッティング)が必要ない仕様だからこそ、人件費がかからず低価格で購入できるようになっています。

オムロンの主な歩みと歴史

1933年大阪にて前身である「立石電機製作所」として創立
1945年戦災を避けるため京都の御室(おむろ)に本社を移転
この地名が現在の「オムロン」という社名の由来となる

日本国内での展開とサポート体制

対面での音の微調整(フィッティング)が不要な設計であるため、一般的な補聴器専門店での取り扱いはあまりありません。

その代わり、全国の家電量販店をはじめAmazonや楽天市場など大手のオンライン通販、新聞の通信販売などを通じて誰でも今すぐ手軽に購入できる仕組みになっています。

運営会社名オムロン ヘルスケア株式会社
所在地京都府向日市寺戸町九ノ坪53番地
公式サイトhttps://store.healthcare.omron.co.jp/

ミミー電子(ミミー電子株式会社)

東京・立川の自社工場から、大手の網の目から漏れる人を救う低価格で高品質な国産補聴器を届ける硬派な名門

特徴と仕組み:耳鼻科医の共同研究から生まれた、自分で合わせる補聴器

ミミー電子は、東京の立川市に本社を置く極めて職人気質な日本の補聴器・聴力測定器メーカーです。

当初は医療機関向けに聴力検査器を製作していましたが、納入先の耳鼻咽喉科医の研究をもとに当時の権威であった大和田健次郎医師と共同で「利用者自身が手元で簡単に音を調整できる補聴器」を開発・発売しました。

大企業のような派手な広告を打ち出していなく販路も小さいため、街で見かける機会や試聴できるチャンスはあまり多くありません。

しかし、本当に困っている人へ必要な機器を届けたいという創業以来の熱い想いだけで、現在も頑なに国内での自社開発・製造を続けている隠れた名門企業です。

ミミー電子の主な歩みと歴史

1979年大手補聴器メーカーに勤めていた創業者が幼児向けの聴力検査器メーカーとして東京で設立
1980年代耳鼻科医との共同研究により自分で音を微調整できる画期的なポケット型補聴器を発売し、全国の医療機関やユーザーへ浸透

日本国内での展開とサポート体制

ミミー電子は大量生産・大量販売のスタイルをとっていないため、一般的な店舗で見かける機会は少ないです。

しかし、一部の地域に密着した補聴器専門店や福祉に強い専門窓口などを通じて必要な人に直接届く息の長いサポートが続けられています。

製造メーカー名ミミー電子株式会社
所在地東京都立川市高松町1-30-11
公式サイトhttps://mimy.co.jp/

オンキヨー(ONKYO/WSオーディオロジー)

名門オーディオの音響ノウハウと世界大手の最先端技術が融合した、自然で聞こえやすいコンパクトな耳あな型

特徴と仕組み:老舗音響メーカーのこだわりを、耳穴の中に

オンキヨーは、オーディオの老舗として日本の音楽ファンに長年愛され続ける音響機器メーカーです。

補聴器事業においては、140年以上の歴史をもつシグニアの日本法人(現・WSオーディオロジージャパン)と強力な業務提携を結び、共同開発という形でオンキヨーブランドの補聴器を展開しています。

音質と品質に並々ならぬこだわりを持ったオンキヨーならではの音響ノウハウが活かされており、雑音を抑えつつ聞きたい音や声だけを自然に届けるのが得意です。

また耳の穴にすっぽり収まって外からは全く見えにくい状態で、驚くほどのコンパクトさとスタイリッシュなカラーリングも大きな特徴です。

オンキヨーの主な歩みと歴史

1946年大阪にて「大阪音響株式会社」として創立、日本のオーディオ文化を牽引
2022年世界大手の技術を持つシバントス社(現・WSオーディオロジー)と提携し、共同開発したオンキヨーブランドの補聴器を市場に投入

日本国内での展開とサポート体制

オンキヨーの補聴器は、主に大手家電量販店の補聴器コーナーや大手の通信販売、一部の眼鏡店などで幅広く販売されています。

世界的な大手メーカーであるWSオーディオロジージャパンが製造・技術サポートをバックアップしているため、購入後のパーツ供給や修理に関しても安心感があります。

ブランド運営(提携先)WSオーディオロジージャパン株式会社
所在地神奈川県大和市中央林間7-10-1 三機大和ビル5階・6階
公式サイトhttps://www.onkyo.net/

WSオーディオロジーは、日本補聴器工業会の加盟メーカーです。

以下の記事では、WSオーディオロジーの歴史や主力ブランドであるシグニアとワイデックスの特徴を紹介していますのでご参考ください。

コストコ(コストコホールセールジャパン)

本格的な防音室と専門スタッフを店舗に完備し、非加盟の常識を破る圧倒的な低価格と万全の対面サポートを両立する会員制大型倉庫

特徴と仕組み:自社ブランドによる圧倒的なコスパと専門店並みの店内ブース

アメリカ生まれの大手会員制倉庫型スーパー「コストコ」が展開する自社ブランド(カークランド・シグニチャーなど)の補聴器です。

その中身は、世界トップクラスである補聴器メーカーからのOEM供給品となっています。

最大の強みは、コストコ店内に「補聴器センター」という専用ブースを独自に設けている点です。

非加盟ブランドでありながら遮音性に優れた本格的な防音室が完備されており、専門スタッフによる聴力測定や手厚いカウンセリングがしっかりと受けられます。

コストコ補聴器の主な歩みと歴史

1976年アメリカで創業、世界的な会員制倉庫型店として急成長
2000年代日本国内のコストコ店舗内に「コストコ補聴器センター」を開設し、驚異的な低価格と手厚いサポートで話題を呼ぶ

日本国内での展開とサポート体制

全国のコストコ倉庫店内にある「補聴器センター」でのみ購入・サポートが受けられます。

ブースには公的資格である認定補聴器技能者やコストコ独自の厳しい専門トレーニングを修了したプロのスタッフが常駐しています。

非加盟ブランドの弱点である購入後の定期的なクリーニングや細かな音の調整(フィッティング)を、店内でいつでも無料で受けられるという専門店さながらの独自のサポート体制をもっています。

運営会社名コストコホールセールジャパン株式会社
所在地神奈川県川崎市川崎区池上新町3-1-4(日本支社)
公式サイトhttps://www.costco.co.jp/

パリミキ(株式会社パリミキ)

王道の加盟ブランドを広く取り扱いながら、大手メガネチェーンの安心感を活かした独自のスマホ連携モデルも展開する店舗限定ブランド

特徴と仕組み:身近な店舗網を活かした、ライフスタイルに寄り添うオリジナル製品

パリミキは、全国に店舗を展開する大手メガネチェーンです。

オーティコン、シグニア、リサウンド、ベルトーン、ユニトロン、コルチトーンなど工業会に加盟している主要メーカーの製品を広く取り扱う正規販売店でもあります。

同時に、他社からOEM供給を受けた「パリミキオリジナル」の自社ブランド補聴器も提供しています。

オリジナル製品の中には、スマートフォンとBluetoothで直接接続しイヤホン感覚で音楽や動画を自分の聴力に合わせた最適な音量・音域で楽しめる、若々しいライフスタイルに合わせた機種もあります。

パリミキの主な歩みと歴史

1930年兵庫県姫路市にて「三城時計店」として創業
2022年持株会社制から現在の「株式会社パリミキ」へ一新
メガネと並ぶ第二の柱として補聴器の自社ブランド開発や対面サポートを強化

日本国内での展開とサポート体制

パリミキの補聴器は、全国のパリミキやメガネの三城の店舗で直接購入・相談が可能です。

大手メガネチェーンならではの身近な店舗網を活かし、購入前のお試しレンタルやお買い物ついでに立ち寄れる定期的なメンテナンス・点検など地域に密着した手厚いフォローが受けられるのが大きな強みです。

運営会社名株式会社パリミキ
所在地東京都中央区日本橋2-1-14 日本橋マルゼンビル6階
公式サイトhttps://www.paris-miki.co.jp/

以下の記事では、パリミキで自社ブランド以外に取り扱うオーティコンやシグニア、リサウンド、コルチトーンの具体的な特徴を紹介していますのでご参考ください。

日本補聴器工業会の非加盟である理由とメリット・デメリット

上記で紹介した有名メーカー・ブランドが、なぜ日本補聴器工業会の会員名簿に載っていないのでしょうか。

ここでは、非加盟であるその裏側にある仕組みと購入前に必ず知っておくべきメリット・デメリットを整理して解説します。

オムロンやオンキヨーが非加盟である理由は「OEM」だから

オムロンやオンキヨーなどの有名メーカーが日本補聴器工業会の名簿に載っていないのは、製品の品質や安全性に問題があるからでは決してありません。

日本補聴器工業会の非加盟メーカーである理由は、自社で補聴器をゼロから開発・製造しているわけではなく「OEM(委託製造)」という仕組みをとっているためです。

パッケージやブランド名は「オムロン」や「オンキヨー」となっていますが、補聴器の中身(機械や技術)は日本補聴器工業会に加盟している海外・国内メーカーが製造して供給しています。

自社で製造や輸入の登録をもつ製造メーカーではなく、完成した製品を仕入れて自社ブランドとして売る販売元となるため日本補聴器工業会の会員名簿に名前が登場しないのです。

補聴器の中身は信頼できる大手メーカーが作っているため品質自体は確かですが、この「OEM販売」ならではの特徴がそのまま製品のメリットとデメリットに繋がっています。

非加盟のメリット:抜群の手軽さと財布に優しい価格設定

非加盟メーカー・ブランドを選ぶ一番のメリットは、補聴器専門店まで何度も足を運ぶ必要がなくインターネットや通販、大手家電量販店などで手軽に購入できることです。

価格も数万円程度からと比較的リーズナブルなものが多く、操作方法もシンプルです。

まずは予算を抑えて手軽に補聴器というものがどんなものか試してみたいという人にとっては、非常に導入のハードルが低いエントリーモデル(入門機)として適しています。

非加盟のデメリット:細かい音の調整ができず、難聴が進むと対応できない

一方で、非加盟メーカーのデメリットは、使う人の耳に合わせた細かな音域や音質の調整(フィッティング)ができないことです。

全体のボリューム(音量)を上げることはできても、高い音だけが聞き取りにくいから高音域だけを狙って大きくしたりピーピーと鳴る不快な音を抑えたりするといった、一人ひとりの聴力に合わせたプロによる精密なカスタマイズには対応していません。

プロによる対面での細かな調整の手間をなくした「割り切り仕様」だからこそ低価格が実現している、という裏返しでもあります。

そのため、基本的には聞こえの低下が気になり始めたばかりの人や軽度難聴の人向けである製品がほとんどです。

すでに聴力が中等度から高度・重度まで下がっている人の場合、補聴器の出力(パワー)が足りず、せっかく買ったのに音が物足りなくて全然聞こえが改善されないという結果になりやすいため注意が必要です。

長く安心して使うなら加盟メーカーを選ぶのがおすすめ

ここまで非加盟メーカー・ブランドの特徴を見てきましたが、これらはあくまで手軽に買えるエントリーモデル(入門機)としての位置づけです。

もし、あなたが「仕事や外出先でもしっかり聞き取りたい」「自分の聴力に合わせて何度も細かく音を調整してほしい」と本格的な聞こえの改善を希望するなら。

やはり日本補聴器工業会に加盟している主要メーカーのブランドを選ぶのが一番安心かつ確実で失敗がありません。

以下の記事では、国内で安心して購入できる日本補聴器工業会・加盟メーカーの主要11ブランドの特徴や歴史、失敗しない選び方の留意事項を当事者目線で解説しています。

自分の耳や聴力に合った安心の補聴器を選びたい人は、併せてチェックしてみてください。

失敗しないための注意点:その機器、本当に補聴器?

インターネット通販や家電量販店、あるいは新聞の広告などで非加盟メーカーの製品を探す際にもう1つ気をつけておきたい罠があります。

見た目はそっくりでも中身が違う罠

それが、見た目は補聴器とそっくりなのに中身の仕組みが全く異なる「集音器」である可能性です。

オムロンやオンキヨーといったブランドの製品は、日本補聴器工業会の非加盟であっても国から効果や安全性が正式に認められた医療機器としての補聴器です。

しかし通販サイトなどの商品検索欄に「補聴器」と入力すると、実際には医療機器ではない製品が含まれることがあります。

すべての音を一律に大きくするだけの家電製品・音響機器である「集音器」や「助聴器」が大量に混ざって画面に表示されてしまうことがあるため注意が必要です。

集音器は難聴の人のための機器ではない

集音器は、音響機器(オーディオ機器)の一種であり、厚生労働省による特別な安全性や出力の制約が設けられていません。

そのため、小さくて聞こえにくい音を大きくしてくれる一方で、もともと十分に大きく聞こえている音までさらに大音量にして耳に届けてしまうという特徴があります。

集音器や助聴器は、個人の聴力に合わせた細かい音質の調整も一切できません。

難聴の人が補聴器の代わりとしてむやみに使い続けると、大きすぎる音のダメージによって逆に難聴を進行させてしまうリスクすらあります。

日本聴覚医学会などの専門機関でも、難聴の人や会話を聞き取りたい人が使う機器としては集音器ではなく「補聴器」を使うことを強く推奨しています。

補聴器と集音器は見た目がとてもよく似ていますが、その目的も耳への安全性も1から10まで完全に別物です。

間違えて購入して無駄な出費をしてしまわないよう、購入前に必ずそれぞれの機能・仕様や販売形態の違いを正しく把握しておきましょう。

以下の記事では、補聴器と集音器の音を伝える仕組みの違いや具体的なメリット・デメリットを解説しています。

あなたの聞こえを快適にするために、どちらを使用すべきか迷った際の参考にしてください。

まとめ:加盟・非加盟の仕組みと特徴を理解して後悔のない補聴器選びを

オムロンやオンキヨー、コストコといった非加盟ブランドの補聴器は、決して安かろう・悪かろうの製品ではありません。

世界的なトップメーカーが作った信頼できる中身(OEM)をベースにしながら、店舗での細かな調整機能をあえて省くことで低価格と手軽さを実現しています。

だからこそ、難聴の程度や補聴器にどこまでのサポートを求めるかによって賢く選び分けることが重要です。

  • まずは予算を抑えて自宅を中心に手軽に試してみたいなら、オムロンやニコンなどの工業会非加盟ブランド
  • 自分の耳にピッタリ合わせて長く安心して使い続けたいなら、マキチエやリオンをはじめとする工業会加盟ブランド

それぞれのメリットとデメリットを正しく天秤にかけ、あなたの今の生活に一番馴染む後悔のない最適な補聴器を見つけてください。

以下の記事では、安心できる補聴器を選ぶために知っておきたい2つの基準について解説しています。

日本補聴器工業会に加盟している信頼のメーカー・ブランドの特徴や歴史、失敗しない選び方の留意事項も解説していますので併せてお読みください。

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この記事を書いた人

つむぎのアバター つむぎ クリエイター

重度難聴で耳あな型補聴器を装用
聴覚障害者として身体障害者手帳3級を所有
本業・副業ともにWebを中心としたデザイン制作

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